子供の頃、リカちゃん人形に憧れながらもフワフワでキラキラは「自分には似合わない」と思い込み、おねだりすることをしませんでした。しかし、60歳になった今、振り返るとやはりその小さな世界に感じる「可愛さ」は、決して過ぎ去ったものではなく、リカちゃんやリカちゃんハウスを見ると変わらずワクワクします。そして、その感覚は、ファッションへの思いと深く結びついていることを感じます。同じ感覚を持つ方は少なくないはず。子供の頃の私は、リカちゃん人形を欲しかったのではなく、その世界に憧れていたのかもしれません。
リカちゃん人形の世界は、ファッション界がそのまま小さくなり、今でいうメタバースの世界だったのです。小さなドレス、靴、帽子…これら一つ一つが、無限のコーディネートの可能性を秘めています。子供時代にその世界に触れることは、実はファッションの基本である「着飾る楽しさ」や「自己表現」の喜びを知る大切な機会だったのかもしれません。
大人になった今、私たちはファッションを自分のライフスタイルや価値観に合わせて楽しむことができますが、リカちゃんやミニチュアの世界が教えてくれるのは、ファッションそのものが持つ「遊び心」。自由に色や形を組み合わせて、自分だけのスタイルを作り出す楽しさ。これは、年齢に関係なく、ファッションの本質的な魅力だと思います。
幼い頃から憧れたメタバースの世界、不思議の国のアリスもまた、ファッションとの関係を象徴的に示している。アリスのドレスや帽子、キャラクターたちの独創的なスタイルは、ファッションの世界で長年にわたってインスピレーションの源となっています。アリスの物語は、ただの冒険だけでなく、個性やユニークさを大切にするメッセージを持っています。そしてそれは、私たちがファッションを通して自分を表現するのに必要な要素があるように思います。
60歳を迎えた今、かつての思い込みを手放し、自分が「かわいい」と思うものを素直に楽しむことができます。それこそが、ファッションと私の関係の新たな形かもしれません。子供時代に手にできなかったものを、大人になってから自由に楽しむ。それが、ファッションの持つ力と、自己を解放する楽しさを感じさせてくれます。
仮想空間(メタバース)の世界、ZEPETOでもファッションを自由に楽しむという共通点があります。
今も昔も誰もが自己を表現したい欲求は変わりません。それが、私の提案する「パーソナルスタイルデザイン」そのものです。